ぶぶ漬け
16日の産経新聞に面白い記事が出ていました。
たこ焼きvsぶぶ漬け サミット誘致で京都・大阪両府知事が論争
2008年の主要国首脳会議(サミット)誘致を目指す京都府の山田啓二知事は16日の定例会見で「大阪はメーン会場を大阪城にコロコロ移した。たこ焼きみたいなものだ」と述べ、同様に誘致を目指す大阪の対応を批判した。
大阪府の太田房江知事は12日に京都の開催案について、はっきり物を言わない京都人の例えに使う「ぶぶ漬け(お茶漬け)」と表現して「もっと詳細な案を示す必要がある。あいまいにしておくのは良くない」と語っていた。
太田氏の発言について問われた山田知事は「お互い手を握り、ある意味競争している。(ぶぶ漬けとは)面白い表現だ」といなした上で、「京都迎賓館などを会場に予定しており、京都の案があいまいとは思わない」と反論した。
(06/16 17:19)
しかし、普通の人はこの記事を読んで理解できるでしょうか?太田知事が発言した「ぶぶ漬け」の意味ををわかる人がどれだけ全国にいるのでしょうか?
少し前に読んだ本にこの「ぶぶ漬け」神話の事が詳しく出ていました。
- 作者: 入江敦彦,ひさうちみちお
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/02/19
- メディア: 単行本
- 購入: 2人 クリック: 41回
- この商品を含むブログ (32件) を見る
この本によれば、「ぶぶ漬け」神話とは、「京都人を訪ね、帰りに『ぶぶ(お茶)づけでも、あがって(食べて)おいきやす』と引き止められたので厚意を受けることにしたら礼儀知らずと誹られた」というエピソードで、京都人を大和民族の最大のヒールにしたてた最大の元凶だそうです。
このエピソードの原点は「京のぶぶづけ」「京の茶漬け」と呼ばれる落語で、安永期(1772〜81年)の笑話集「一のもり」に出てくる噺を膨らませたもので、当時はその話の舞台は京都に限ったものでなかったようです。
その後、その対応が京都人らしかったのか京都人の話として定着したようです。
つまり「ぶぶ漬け」とは、京都人のはっきりしない態度や底意地の悪さを揶揄するものとして若干悪意的に使われているのが現状です。
このような京都人の行動を「イケズ」として、この本は面白く書かれています。京都人に興味のある方(そんな人あまりいませんが)一読をお勧めします。
しかし、首長ともあろう人がこんな低次元の言い合いしていて(特に太田知事は無知ですね。)恥ずかしくないんですかね?