買って損した本
久しぶりに買って損したと思う本があります。
高橋乗宣氏の「世界が日本を必要としている」です。
著者も「悲観の高橋乗宣」とか「弱気の乗宣」と言われているらしく、その著者が自分でも珍しく「日本の将来は明るい」といっているので読者は違和感を持つかもしれないと言っていますが、本の全体的なトーンはやはり悲観・弱気です。
世界が日本を必要としている―原油高・為替に一喜一憂せずに大局をつかめ
- 作者: 高橋乗宣
- 出版社/メーカー: ビジネス社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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その著者が、帯にも書いていますが「日本経済は、100年に一度の好ステージ立っている!」と言っているのですが、その根拠というのが中国は今後も長期的な経済成長が見込まれ日本経済もそれに引っ張られ長期的な経済成長になるというものです。
本の内容はどの項目もどっかの誰かが言っていた事ばかりやここ20年ほどの間に起こった事のおさらいで、目新しさはなく著者独自の視点・提言が私にはほとんど感じられません。
はっきり言って全体的に総花的でビジネス書としてみれば買う人をがっかりさせることは間違いありません。学生レベルを想定して書いたとかしか思えないレベルです。
たとえば、後半で少しだけ触れている格差社会の問題なら
- 作者: 山田昌弘
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2004/11
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大前研一氏の「ロウアーミドルの衝撃」
- 作者: 大前研一
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2006/01/26
- メディア: 単行本
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を読んだ方なら何このレベル?と思うはずです。
私も普段本を買うときは、ぺらぺらとある程度中身は見るのですが、この本を買ったときは時間があまりなく店頭にあったので吟味せずに買ってしました。
ほとんどのビジネス書には、著者独自の視点や提言が含まれているのですが、この本に関しては皆無です。(中国経済が今後20〜30年順調に成長すると言う超楽観的な予測は著者独自の視点といえばそうかもしれません。)
とにかくこの本は売らんがために内容と全然違う題名にしたというのがミエミエです。
しかしこの著者、本の帯には「2007年以降もフォローの風は吹く」と書いているくせに、少し前にこんな本書いていたようだしいったいどっちやねん!
- 作者: 高橋乗宣
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2005/11
- メディア: 単行本
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