yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

ニュークリアレディの幻想

昨日の産経新聞にある意味ではショックな記事が一面に載っていました。

核弾頭試作に3年以上 費用2000〜3000億円 政府内部文書
 「日本が小型核弾頭を試作するまでには少なくとも3〜5年かかる」とする政府の内部文書が24日明らかになった。「核兵器の国産可能性について」と題した文書によると、日本にはウラン濃縮工場や原発の使用済み核燃料の再処理技術・設備はあるが、技術上の制約から核兵器にただちに転用できないとしている。北朝鮮の核実験を機に日本国内では一部に「非核三原則」の見直しや核武装論が出ているが、日本が仮に核武装する決心をしてもほぼゼロからの開発にならざるをえない、という現実を確認したことになる。
 政府内部文書はことし9月20日付で作成された。10月9日の北朝鮮核実験に先立ってひそかに政府機関の専門家が調査し、まとめた。小型核弾頭試作までに3年以上の期間、2000億〜3000億円の予算と技術者数百人の動員が必要という。これでは仮に日本が核武装宣言しても、ただちに独力で北朝鮮からの「核の脅威」抑止には間に合わない。
 核兵器の材料は、いわゆる広島型原爆材料の高濃縮ウランか長崎型のプルトニウムの2種類。日本原燃の六ケ所村(青森県)原子燃料サイクル施設や日本原子力研究開発機構東海事業所(茨城県)に、ウラン濃縮や原子力発電所の使用済み核燃料再処理工場がある。
 しかし、いずれも軽水炉用で、核兵器級の原料をつくるのには適さない。濃縮工場は純度3%程度の低濃縮ウランを製造するが、そのため稼働している遠心分離機は故障続きで、短期間での大規模化は困難である。
 政府内部文書では、日本が核武装するためには、結局、プルトニウム239を効率的に作り出すことができる黒鉛減速炉の建設と減速炉から生じる使用済み核燃料を再処理するラインを設置する必要があると結論づける。さらに小型核弾頭をつくるためには日本にとって未知の技術開発に挑戦しなければならない。(編集委員 田村秀男)
 【政府文書骨子】

 一、小型核弾頭試作には最低でも3〜5年、2000億〜3000億円かかる

 一、核原料製造のためウラン濃縮工場拡張は非現実的。軽水炉使用済み燃料再処理をしても不可能

 一、黒鉛減速炉によるプルトニウム抽出が一番の近道

(産経新聞 2006/12/25 02:38)

この記事を見て、「あれ、日本ってニュークリアレディの国じゃなかったの?」と多くの人が思ったのではないでしょうか。

【ニュークリアレディ】
日本は30年ぐらい前、核弾頭の模擬実験やウランの濃縮技術などをすべて完成させている。
原料となる濃縮ウランやプルトニウムも今や相当量を保有している。核弾頭を運ぶことのできるロケットもある。ということは、あとは玩具のレゴのようにパーツを組み立てるだけでいいのだ。これは外交の用語で言うと「ニュークリアレディ」である。つまり核保有国ではないが、必要なものは持っている。それを組み合わせて核ミサイルを量産するまでに90日しかかからないというのがニュークリアレディであり、日本はとっくの昔にニュークリアレディの「準核保有国」になっている。
(引用元不明)

大前研一氏もこんな発言を…

http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=60881&servcode=100§code=100

あれ、大前氏は素人ではなく元々核の技術者ですよね??

世間一般の人も、「政府が核保有に必要な下準備は常にしており、すぐにでも核保有国になれる。」と思っている人がかなりの数いると思います。
この記事を読むと日本政府にそんな戦略やしたたかさはないし、日本がニュークリアレディというのは結局都市伝説みたいなものなのでしょうか?
この記事自体が一体どのような目的で今の時期に出てきたのか良くわかりませんね。
いっその事、アメリカから期限付きで中距離の核ミサイルか戦略原潜をレンタルしたらいいのではないでしょうか?(アメリカがOKするかは別にして)
この方法なら、非核三原則にも抵触しません。(^^;)

  • 持たず → 持っていない、借りているだけ。
  • 作らず → もちろん作っていない。
  • 持ち込ませず → 自分自身で持ち込むのだから持ち込ませてはいない。