yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

内需拡大バブル

昨年読んだ本ですが増田俊男氏の「空前の内需拡大バブル」を読みました。

この本は大変わかりやすく書いてあり面白かったです。
まず著者は日米関係について詳しく述べています。
昨年の出来事ですが、小泉前首相が訪米した際にエアフォースワン(米大統領専用機、外国の要人が乗ったのは初めて)に乗ったり、そのエアフォースワンでプレスリーの生家に行ったり、公式晩餐会を開いてもらったり国賓級の大歓迎を受けました。(日本は天皇陛下が元首なので総理大臣は本来格下。)
それとは対照的に、昨年訪米した中国の胡錦濤国家主席は元首であるにもかかわらず、晩餐会より略式の午餐であったり、歓迎式典での演説で法輪功関係者が騒ぎ出して台無しになったり(これはアメリカが確信犯のような…)散々でした。
この事からもアメリカが一番大事にしているパートナーは日本であって、中国は既に仮想敵国としてアメリカが捉えているという事のようです。

小泉前首相及びアメリカのシンクタンク出身の竹中元大臣は、改革改革といいながらアメリカの要求する事項は無条件で受け入れてきました。
著者は小泉元首相についてこう述べています。

アメリカの要求を受け入れる事が、日本の国益といえるか。アメリカの国益のための戦略に基づいて日本の政治を采配してきた小泉首相は売国奴ではないか…。
結論からいえば、アメリカに利することは日本の国益である。したがって、小泉前首相は日本の国益に貢献した名宰相ということになる。

と述べて米国の言う通りにすることが結果的に日本の国益になる事を強調しています。
なるほど、新米ポチにも理由があったのですね。(っていうか小泉元首相がそれほど深謀遠慮で政治をしてきたのかは大きく疑問)

また著者は、中国バブルの崩壊や日本の重厚長大産業が日本経済を牽引すると予測しており、なおかつ郵政民営化による余剰資金の株式市場への流入や三角合併会計基準の改革、日本のインフラのメンテナンスのための公共工事の増加等により株高、土地高、円高の三本高による内需拡大に向かうと述べています。

これだけ強気の本も久々に見たような気がします。
日本の重厚長大産業が伸びるという意見は、長谷川慶太郎氏と同じ意見ですね。また軍事の面から経済を予測しているという点も二人は共通していますね。
本当にこのようになればいいのですが・・・。