yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

3月28日のエントリーについての追記

なぜか何日も前のエントリーがいきなり注目され、ここ数日間はアクセスも急増してビックリしています。ちょっと説明が足りない部分もありますので補足します。


以前のエントリー 相続人のなかに甥や姪がいたら要注意です。


まず私は、相続において兄弟姉妹で争う事は全然否定していません。
兄弟というのは金銭というよりも感情で相続争いが起こる事も多々あります。例を挙げれば、「兄貴は○○大学に行かせてもらった。」「妹は家を建ててもらった。」あるいは華麗なる一族のように弟ばかりが可愛がられたケースもあるでしょう。
兄弟姉妹間の相続争いは、今までの家族の歴史・兄弟姉妹の歴史というものがあり、それを踏まえた上での争いですから第三者がどうこういう問題ではありません。
仮に弟が亡くなった親と兄夫婦が住んでいた家を売れと言っても、そこまで弟が言うのは何らかの理由があっての事だと思いますし、そのような弟を育てた親の責任もあります。
しかしその相続に、家族の歴史・兄弟の歴史とはなんの関係もない甥や姪(被相続人から見ると孫、家族として同居している場合などを除く。)が参加してくると、話がややこしくなる場合が多いようです。
遺産がたっぷりあるなら甥や姪にも財産を分けてあげたらいいでしょう。
しかし遺産が自宅しかないような場合に、それを売却しろと甥や姪が要求するのはやはり行き過ぎではないでしょうか?
その自宅を共有するという手段もありますが、多くの場合逆に亡くなった親と同居していた息子さん達の方が共有を嫌がります。つまりこのような事を言ってくる甥や姪とは二度と関わりたくないと思う場合がほとんどのようです。
また甥や姪もこのような要求をする以上、今後の親戚関係は絶縁する覚悟で要求して来るので、今後は一切の交流がなくなる事も確かです。
遺言も確かに遺留分があるので、0円には出来ないでしょうがある程度は有効です。例えば前回のエントリーのケースで、自宅の評価がキリのいいところで4500万円とすると、各人の法定相続分は1500万円です。
遺言があり例えば「最後まで介護してくれた長男に財産を全部相続させる。」とあれば、遺留分の750万円を甥に払えば自宅を売却せずに済みます。
遺留分の金額が少なければ、息子さん夫婦の貯金で払える可能性が出てくるのです。
また生前贈与も特別受益として遺産分割の計算に算入されるのは、生計の資本として受けた贈与だけです。(興味がある方は他のサイトでお調べ下さい。)預貯金が多少あるなら生命保険を活用してもいいかもしれません。
遺言や生前贈与するともめる元という方もいますが、もめる相続というのは最初からそんな事関係なくもめるのです。
そもそも親と同居している数多くの息子さん娘さん夫婦は、このような事態を想定して人生設計をしていません。親も面倒も最後まで看たし(看るし)、自分が家くらいなら全部相続して当然と思っています。
昔の家督制度の感覚を今でも多くの人が持っているのですが、相続人全員がその感覚を持っている事を期待してはいけません。