yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

パートナーシップによる税理士法人の運営のコツ その2

前回のエントリーに続き今回はパートナーシップによる税理士法人のメリットを書きたいと思います。


1.ディスカッションが出来る

私と税理士法人のパートナーである載本君(id:saimoto)はデスクを並べて仕事をしています。
普段から「こういう場合にはどんな税務処理をしたらいいやろ?」「〜社長がこんな事言っているのだけど、どう思う?」「今回の税務調査で調査官がこんな事言ってるんやけど、どう思う。」とかよくディスカッションをします。
人間というのはやはり思い込んでしまう生き物のようで、デスカッションする事により自分の思い込みや勘違いを修正する事が出来て、なおかつ知識のレベルアップが可能です。
同じレベルの話が出来る相手というのはすごく大事だと思います。


2.お互いがいい意味でのプレッシャーになる

これはお互いどちらも感じていると思いますが、片方が成果を挙げると「よし、自分も」という気持ちになります。
また税理士2人が組んだのだから、もっともっといい事務所にしていきたいという気持ちというかプレッシャーは、一人で事務所をやっている場合よりも強いと思います。(のんびりしたいのであれば絶対一人でやっています。)
一人で事務所を経営すると、「事務所もこの位でいいかな。」といった守りの姿勢というか怠け癖が出てくるよう気がします。
従って一人で事務所を経営されていて、事務所の成長を保ちつつモチベーションの高い税理士はある面尊敬しますね。


3.2人で企画立案できる

私たちの事務所は最近では色々なマーケティング活動をしていますが、このマーケティングの企画について2人で相談していく事により、より高い次元での活動が可能になると思います。
例えばホームページ内容一つ取っても、一人で考えるだけではなかなかいいものは出来ないと思います。


4.担当や役割を分担し仕事を進める事が出来る

まず仕事の分野でも2人とも得意不得意や経験未経験がありますので、そこは補完しあえます。
最近の例を挙げると、事務所でプライバシーマークを取得しようと作業を進めているのですが、載本君には規定関係の整備をしてもらい、私のほうではコンピュータ関係のセキュリティーを見直すといった分業が可能です。
新規クライアントで税理士が担当しなければならない先でも、どちらが行ったほうがいいかとか社長と相性の合いそうなのはどちらかなとか、一人では出来ない対応が出来ます。
またお互いの担当の顧問先とゴルフに行く場合、こちらが2人と顧問先の社長と奥さん又は社長と幹部といったメンバーで出来ますので、結構機会が増えます。
人間一人が出来る事は知れていますので、このような役割分担や共同作業が出来るパートナーがいると、もっと高いレベルでの仕事が可能になると思います。


5.うれしい事は2倍、苦しい事は2分の1

これは普段から顧問先の経営者の相談を受けている税理士だから良くわかるのですが、基本的には経営者というのは常に孤独で様々な経営判断を自分一人で行わなければなりません。
その点パートーシップなら、あらゆる事を普段から相談しながら経営が出来ますので経営における孤独感というものはあまり感じなくて済むと思います。
またいい事があれば2人で喜び、落ち込む事があってもその落ち込みは軽くて済みます。今でも2人で飲みに行って今後の事務所の夢なんかを話するのはすごく楽しいですね。



パートナーシップによる税理士法人のメリットを何点か述べましたが、もちろんデメリットもあると思います。
例えば、「自分の思ったとおりに出来ない。」「パートナーと意見が違う。」「公私混同が出来ない。(笑)」など人によってはデメリットを感じる人も多いと思います。
しかし、「みんなの意見は案外正しい。」じゃないですけど、二人ともお互いパートナーの意見は尊重しますし、色々二人で話をしていくとまあ妥当な線で落ち着きます。
そもそもこの業界は誰か一人がリーダーシップを発揮して、独創的な戦略で成功を収めようとするビジネスではありません。
従って私自身はこれらの事をデメリットと感じた事はありませんね。

税理士法人に限らず、現在では弁護士法人・社会保険労務士法人司法書士法人といった法人も設立可能であり、時代はパートナーシップによる士業の法人を求めていると思います。
とりあえず今後の私たちの目標は、職員の数をもっと増やし20人体制の事務所にして、支店を展開していきたいですね。