yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

大企業の社員と中小企業の社員の違い

ある会社の書類を整理していたら、昔私が携わったその会社の原価管理システムの運用に関する書類が出てきた。懐かしく見ていたら、その仕事を一緒にしたある人の事を思い出した。
その人はある大企業でずっと仕事をされてきたのだが、縁があって私の顧問先の中小企業に入社して当時導入しようとしていた原価管理システムをどのように運用していくかで一緒に仕事をした。
自分も大企業などでは働いた経験もなかったので「ああこういう人が大企業で働いているのか。」と少し感心したことが何点かある。

  • 文書作成能力

私が感じた大企業の社員の一番の特徴は文書作成能力である。逆に中小企業の社員には文書を作成する能力に欠ける人が多い。
やはり大企業では様々な面で報告書等の文書類の提出を求められるが、中小企業の場合社長や上司に口頭で報告する場合も多く、中小企業の社員は文書作成が苦手である。

  • 企画力

これも様々な人間がいるとは思うが、やはり大企業で頭角をあらわしていくためには様々なことを企画し上に提案し、それを実際に動かしていく事で一定の評価が得られる。そのために様々な企画や提案を発想する能力に優れた人が多いように感じる。
中小企業の場合、企画等を考えるのは社長であり社員が行う事は少ない。逆に中小企業で企画等が出来る人材は多くの場合独立起業して自分で事業を起こすケースが多い。

  • 仕組みを構築する力

大企業が実際に会社を動かしていくためには様々なマニュアルや運用規則が存在する。私が一緒に仕事をした人もそうだったが、実際の運用手順を考えたりマニュアル等を作成していく能力はやはり中小企業の社員にはない能力である。


上記3点を挙げたが、これはどちらがよいとか悪いとかではなく、その働く組織が求めている能力を各社員が具現化しているに過ぎない。
中小企業の場合、どちらかというと上記のような能力より現業・現場の能力が強く求められる。例えば実際に物を売る営業力であるとか製造業でいえば高度な技能などが重要視される。
また大企業の場合上記の能力を持つ人が考えた仕組みなどを、何千人何万人で使うためコスト的に問題となる事は少ないが、中小企業の場合は上記の能力や仕組みを使いきれるほどの組織の大きさではないためその能力に見合った大企業並の給料を出しにくい。
よく中小企業の経営者が自社をもっとしっかりした組織にしたいと思い、元大企業の管理部門にいた人間を採用したりするのだが、多くの場合上記の理由になどによりいずれ両者の気持ちにギャップが出来て続かないことが多い。
結局一緒に仕事したその人も何年かで退社して、今はもう少し規模の大きな会社で仕事をしているらしい。
今は一緒に考えたそのシステムだけがまだ現役で稼動している・・・・。