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yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

社長、すみませんでした。


昨日仕事上のちょっとしたトラブルがあって、なぜか昔のことを思い出しました。
もう15年くらい前の話ですが、当時勤務していた会計事務所で担当していた不動産会社がありました。その不動産会社が所有していた店舗が、区画整理事業により立ち退きとなり補償金が入ってきましたので迷わず所得の特別控除の適用を受けた申告書を提出しました。
この特別控除の適用額は

補償金等 − 必要経費 = 特別控除額

と計算するのですが、この場合の必要経費にあたる入居していた店舗への立退き料が、金額の折り合いが合わず実際に支払われたのは翌期の後半になってからでした。
この場合特別控除額は大きく減額されることになるのですが、それに気がついたのは何年後かの税務調査の時でした。
これは社長にその区画整理事業についてよく聞いてなかった完全な私のミスでした。
本来は支払わなければならなかった税金とはいえ、加算税も含めて数百万円の追徴税額となりました。これは私が今までしてきた仕事の中で一番大きいミスだと思います。
その時私にできることといえば社長に謝るぐらいのことでした。
私が
「社長、私のミスです。すみませんでした。」
と謝ったところ、
その社長は
「吉田君もういいで。人間は誰でもミスするから今度から気つけてな。」
と言っていただき、許していただきました。
本来なら顧問契約解除、損害賠償にも発展しかねないミスだとは思うのですが、その後も顧問契約を続けていただき、私が独立する時にも顧問先になっていただいた上「吉田君、応援するしがんばりや。いろいろ紹介してあげるわ。」と言っていただきました。
その社長が亡くなって早10年が経ちました。その会社は代替わりをして、今でも顧問契約をさせて頂いています。
今思うのは、あの時言い訳や自己弁護をせず素直に謝ったからこそ今でも関係が続いているような気がします。

それから私は仕事では

  • 自分がミスをしたらまず素直に謝罪すること
  • 素直に謝罪できない相手とはお付き合いをしない事

を自分自身のポリシーとしています。

現代は「最初に謝ったら不利」、とか 「誤りを認めたら損害賠償される」とかいう風潮もあるようですが、私達の仕事のように長い年月顧問先とお付き合いしていく仕事では、そのような駆け引きをするような関係では続かないと思います。
また謝った事でそれが自分に不利になったとしてもそれはそれで受け止めようと思います。
この業界の若い人には、ミスをしたら自己弁護や正当化しないで素直に謝るという当たり前の事をして欲しいと思います。
一生お付き合いできる経営者と出会えるように・・・。