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yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

SaaSで財務会計なんて普及しない。(断言)


税理士新聞の2008年3月5日号の一面記事は

「ITの進化はここまで来た SaaSが中小企業を変える!」

という記事だった。

やれやれと思いつつ記事を読んでいくと

近年新たに登場したSaaS(Software as a Service、サース)とは、インターネットを通じて、販売管理、財務会計、人事情報、給与計算、販売管理などのアプリケーションソフトウエアを利用できる情報処理サービスをいう。

今まで騒いできた割にはパッとしなかったASPとどこが違うのかよくわからん。

経済産業省では
「日本の中小企業の80%〜90%が小規模事業だが、この層のIT化が遅れている。」
「こうした層のIT化を底上げするには、SaaSのようなサービスが適している。」

経済産業省は小規模企業を完全になめている。今時、私達の顧問先でもほとんどの会社でパソコンがありインターネットに繋がっているし、下手したら役所よりはるかに進んだ使い方をしている企業も数多くいる。

そもそも、小規模企業が会計や販売管理などをパソコンにしろSaaSにしろ、使っただけで効率性・生産性があがり競争力がつくなどとは、企業経営の現場を知らない役人のたわごとにしか聞こえない。

また会計ソフトや販売管理ソフトが2万円程度で販売されている時代に、コストの面からもあえてSaaSを小規模企業が使う理由が見当たらない。


またこの新聞は

「税理士もスキルアップが必要」

として、まるでSaaSを使わないと時代遅れの税理士ような書き方をして、また「IT化に対応できる事務所であれば、全国2万9千事務所のなかで優位性」と会計事務所の現実を知らないトンチンカンぶりを発揮している。

また記事の中で税理士のITスキルの向上の必要性を述べているが、SaaSで財務会計のアプリケーションを使う程度の事をITスキルというなら、この記事を書いた記者のITに対する知識はかなり怪しいといわざるを得ない。

現状では財務会計のSaaSを提供している会社も数社あり、ユーザー数も増えているかもしれないが、大きな流れにはならないと思う。

逆に今後の電子申告の普及を考えると、法人税の申告などでは財務会計・法人税申告・内訳書・減価償却などの各ソフトを同一メーカーで統一しないと使い勝手がはなはだ悪い。
現時点でこのようなソフトをフルラインアップしているSaaSの会社はないだろうし、今後も出てくる事はないと思う。
従って会計事務所がSaaSの財務会計のサービスを使うのは限定的であり、メインとして使う状況にはならない。
そもそも今の主要会計ソフトは、インターネットでのデータのやり取りが標準機能として付加されているのに、あえてSaaSを使う理由が見当たらない。


吉田の結論

財務会計のSaaSはそれ程普及しない。