yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

規制改革会議のピンボケ

資格制度の見直しについては以前から「規制緩和推進3か年計画」により進められてきているのですが、最近の検討課題となっているのが「税理士試験の受験資格の見直し」についてです。

この前「近畿税理士界」という近畿税理士会所属会員に配布している新聞があるのですが、その中に別冊資料という事で今回のこの話がまとめられていたものがありました。

少し見えにくいかもしれませんが、規制改革会議では国民の利便性向上ということで、

  • 過剰な参入規制により競争制限

   ↓

  • 公正な競争の確保

(受験門戸拡大→受験者数増→税理士数増→競争の活性化)

というピンボケぶりを思いっきり発揮しています。

そもそも税理士試験の受験資格ですが

  • 学識
  • 資格
  • 職歴

についてそれぞれ規定されています。
http://www.nta.go.jp/sonota/zeirishi/zeirishishiken/qa/qa03.htm

確かに学識だけだと大学などにいっていない人は受験できませんが、資格については日商簿記1級合格など職歴については会計事務所勤務や企業の経理などの経験が3年ほどあれば受験資格が得られますので、他の資格と比較してもそれ程制限されているとは思いません。

そもそも税理士の数を増やしたいなら税理士試験の合格率を上げればいいだけの話で、なぜそれ程厳しくもない受験資格の緩和して何の意味があるのでしょうか?
また公認会計士が4000人合格する時代に、受験要件を見直すだけで受験者が増えると規制改革会議のメンバーは本気で思っているのでしょうか?
私自身は以前のエントリーでも書いていますが税理士を増やすことには全然反対していません。現実としては税理士は既に過剰な時代であり、規制改革会議のメンバーさんに心配していただかなくても競争は既に活性化しております。

公費を使ってこんなくだらない結論しか出せない「規制改革会議」そろそろメンバーを交代するか解散した方がいいのでは・・・。