yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

テキトー税理士が会社を潰す


あまりにひどい本なのでどうでもよかったのですが、誤解される経営者もおられると思いとりあえず書いておきます。

テキトー税理士が会社を潰す

テキトー税理士が会社を潰す

プロフィールを読まずにこの本を数ページ読んだだけで、「なんやこの人、TKC信者やん。」とすぐにわかりました。
TKCとは主に会計事務所向けにコンピューターやシステムを販売している一部上場企業なのですが、一部宗教的なところもあり税理士によって好き嫌いがはっきりと出るメーカーです。
断っておきますが私の事務所でもTKCのシステムを導入しています。ソフト的には結構優れてるところがあったりまた「BAST」と呼ばれる中小企業の経営指標は大変便利でよく利用しています。
ただこのメーカーは映画化された高杉良の小説「不撓不屈」の主人公でもある税理士の故飯塚毅氏が創業者の会社で、カリスマ税理士であった飯塚氏の思想が色濃く反映された会社でもあり、その思想に共鳴している税理士のユーザーが数多くいます。

まあどのような思想に共鳴して、どのようなメーカーのシステムを使うかはまったく個人の自由でかまわないと思いますが、この著者のように自分とTKCを利用している一部の税理士以外はテキトー税理士と非難するのはやはり行き過ぎでしょう。

確かにこの著者がいうところのテキトー税理士は存在しますが、自分以外の他のほとんどの税理士を自分の思い込みだけでテキトー税理士と非難する世間知らずの神経の人に、よく顧問先がついてくるなーというのが率直な感想です。
この著者の自分だけは正しいんやと思い込むあたりの感じは、ある種のカルト宗教の信者と共通する雰囲気を感じるのは私だけではないはずです。

しかしそもそもテキトー税理士(著者によれば日本のほとんどの税理士はテキトー税理士らしい)がそんなに会社を潰しているなら、日本の中小企業は死屍累々のとんでもない状況になったいるはずですがね〜。