税理士は業務量に合った顧問料をもらわないと後で後悔します。
少し前の話ですが、とあるコンビニを経営している会社から解約の申し出があり顧問契約解除となりました。
もともとその会社は事務所のスタッフの前に勤務していた事務所の知り合いの方で、契約時に大変資金的に厳しいので顧問料安くして欲しいとの御希望でした。
うちのスタッフの知り合いでもありその彼が担当するという事と、まあ業績が伸びてきたら値上げさせていただくという事で業務量の割にはかなり低い価格で顧問契約を結びここ数年間はその顧問料のまま業務を行ってきました。
しかしその会社がコンビニをもう一店出店する計画が出ました。
担当の彼も頑張っていたしそろそろ値上げをお願いしようかなあと思っていた矢先に、先方から顧問契約解除の申し出がありました。
理由を聞くと、とある人(定年退職者らしい)が無料で経理くらいやってあげるよ~と言ってもらったので、そちらでやってもらうという事でした。
なんかがっかりすると同時にヒドイ人やな~と思いました。
また別な会社ですが、創業時から顧問させて頂いた会社で最初は全然お金が無かったので顧問料も0円で仕事をしていました。
まあその若い社長を応援しようという気持ちもありましたし、その後その社長も頑張られて業績も上がってきました。
それでもやっぱり創業時からみているし、これは自分の永遠の顧問先だという意識がどこかにあったので、これも業務量の割には顧問料も低目の金額でずっときていました。
しかしまた色々な諸事情によりこれも先方から顧問契約の解除の申し出があり、なんかこれもがっかりしましたね。
顧問先からの契約解除の申し出というのは税理士事務所的には良くあるケースで、その事務所の能力不足や対応への不満、顧問料に対する感覚の違いなどで様々なケースがありますが、それはそれで仕方ありませんしがっかりする必要もありません。
ただ上記の2つのケースのように、温情的に顧問料を安くしたり、応援したい気持ちで顧問料を低く抑えていたりすると、解約時に「なんだこの人、こっちの気持ち全然わかってくれていないやん。」とがっかりする事になります。
その顧問料を安くしてもらっているというのは安くしてもらってる側からはなかなかわかってもらえないかもしれませんし、事務所側からのアピールも足りないかもしれません。
おそらくこのがっかり感は、こちらは気持ちが入ってお付き合いさせていただいているのに、相手からしたらただの会計事務所とビジネス的に付き合っているにすぎないのを、勘違いしちゃっている自分にがっかりしているんですね。
本来であれば気持ちをわかってもらえる相手にしかしてはいけない事を、自分で勘違いしてこの人はわかってくれてると思いこんじゃうんですよね。
いくら知り合いとかでも会計事務所はある程度業務量的に適正な報酬を請求して、その報酬が高いと思う人とは付き合わない方がお互いの為です。
もし顧問料が安くても応援したい時は、なかなか判断は難しいですが人の気持ちがわかる社長にしかしたらダメですね。
苦い経験でした。