yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

コメリの強さ

昨日今日と顧問先の税務調査があり何とか終了しました。今年は調査の当たり年のようで結構調査があります。


さて、日経ビジネスの9月4日号で特集「強さの研究」でコメリが取り上げられていました。



会社HP http://www.komeri.bit.or.jp/

コメリは京都ではあまり店を見かけませんが、私の田舎である岩手県などでは結構見かけます。私の実家の近所にもあります。

わたしの実家は岩手県の人口が1万人にも満たない小さな町です。こんな田舎で採算が合うのだろうかと思っていましたがけっこうみんな利用しているようです。

コメリは小型のホームセンターで農村に出店し、農家や工務店を相手にするビジネスモデルで業績を伸ばし、いまや連結売上が2610億円 経常利益164億円とし19期連続増収増益を達成したようです。(これは凄いです。)


この特集の中で印象に残ったのは、かつて1号店を開業したときには「あんな店、儲かるはずがない」と社内外で猛烈な批判を受けたり、業界関係者から「バカなことをしている」と罵られたり、尊敬する経営コンサルタントから「やめておけ」という忠告を無視したためそのコンサルタントから出入り禁止を言い渡されたりしたそうです。

その状況下で信念をもって事業を進めていった社長である捧氏を私は起業家として尊敬いたします。


実は私達の事務所の顧問先の中でも、起業して急成長した会社というのはある一定の共通点があります。
それは、起業の際にその経営者からビジネスモデルを聞いたとき、「うまくいかないのでは?」と思った会社ほど急成長しています。

顧問先である「株式会社はてな」もそうでした。最初にインターネットでの人力検索と聞いた時、はっきり言って「うまくいかないのでは?」と思いました。
またこれは東京の顧問先の会社なのですが、分譲マンションの販売のチラシをポスティングする会社を興すと聞いたとき、これも「儲かる訳ないだろう。」と思っていましたがそれが現在では社員数40名を超える会社に急成長しています。
(両社長には申し訳ない。)


私の経験ではビジネスモデルを聞いたとき「うまくいきそう」とか「儲かりそう」と思えるビジネスほどうまくいかず儲かりません。

元々そのようなビジネスは資本力や人材の豊富な大きな企業が取り組むビジネスであり、起業してこれからやって行こうという人のビジネスモデルではないからです。


起業されようとする方は、あまり周りの意見に左右されずに自分の信じたビジネスモデルに信念をもって全力を注いで欲しいですね。(あんまり暴走するのも困りますから多少は聞いてくださいね。)
特に税理士に意見なんか聞いても無駄ですので…(反省)


逆にパワーポイント等で自分のビジネスモデルのプレゼンの資料をばっちり作り、得意げにしゃべっている人間はほとんど途中で挫折していますね。
起業する人間はプレゼンなんて作る暇があったら、自分で夜中までプログラミングしたり、自分でポスティングしたりして下さい。


最後にこの記事の中の捧氏の言葉を紹介します。
コメリを形だけ真似ることは誰にでも出来る。だがコメリが対象とする市場や商品は、もともと多くのデメリットを抱えている。我々は長い時間をかけて、その不利な環境で成功するための仕組み作りを進めてきた。単に同じような店を他店舗化すればいい、というものではない。」