yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

一澤信三郎帆布

日経ベンチャー2006.11月号に京都のかばん店「一澤信三郎帆布」の記事が出ていました。



元々京都の老舗かばんの店として「一澤帆布」というブランドがあったのですが、先代の死亡による相続争いが起き、全国的にも骨肉の争いとしてワイドショーなどにも取り上げられ変な意味で注目を集めてしまいした。

お店HP http://www.ichizawashinzaburohanpu.co.jp/

まあ兄弟間の事で第三者がどうこう言う話ではありませんので相続争いについては言及は致しません。
ただほとんどの職人が信三郎氏についていき、法律がどうであれ実質的には信三郎氏に軍配が上ったような気がします。

その信三郎氏ですが、通常なら製造業の場合効率やコストを重視して工場等を郊外に持っていきなるべく集約して生産すると思うのですが、町中に工場をもち職人が作ったものを目の前の店で販売していく事にこだわりを持っているようです。
信三郎氏はこう述べています。

まず流通コストが掛からん。その分、素材にこだわったり、職人の給料を上げたり出来る。それに工場が町中にあれば、通いやすいやろ。仕事が終わったらすぐに遊びにもいける。楽しく仕事ができる職場には、いい職人が集まってくれる。みんな幸せに仕事が出来るんですわ。

職人さんが全員信三郎氏についていったのもわかる気がします。

人件費の安いところを求めていく経営を「焼き畑農業経営」といって批判しておきながら、自らの会社は偽装請負や人材派遣で2万人以上の人間を消耗品のように使い、何年連続増収増益か知らんけど調子に乗っているどこかの経済団体の会長をしている某経営者に聞かせたいですね。