yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

トヨタの強さとグローバル企業の主張の矛盾

日経ビジネス2007.1.22号の記事で、英フィナンシャル・タイムズ論説主幹のマーティン・ウルフ氏がトヨタについてこう述べています。

トヨタはあくまでも日本企業です。欧米企業が2兆円もの利益を上げたら、株主に還元させられ、自由に投資できない。トヨタが成功するのは、根本的に日本企業で、株主との関係でも日本流で経営しているからです。

グローバル企業の代表のようなトヨタの強さが、日本企業だからとはなかなか面白い視点です。
グローバル企業の経営者は、前日本経団連会長のトヨタの奥田氏や現会長のキャノンの御手洗氏のように、国際競争に勝つためにといって各種規制緩和を政府に対して常に要求しています。
日本は規制だらけで国際競争には不利だから、自分達をもっと優遇しろという主張をいつも繰り返してきました。ついこの前も国際競争に勝つために法人税の減税が必要と政界に強く働きかけていました。
しかしウルフ氏の主張から言えば法人税を減税などしなくても、日本にいるだけで欧米企業のような株主還元をしなくてもいいので、その分で十分設備投資が可能であり全然不利ではないのではないですか?

あまりいいとこ取りの主張はみっともないですよ、御手洗さん。