yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

パートナーシップによる税理士法人の運営のコツ その1


今回の内容はあるコメントを頂いたから方からのリクエストなのですが、パートナーシップによる税理士法人の運営のコツを教えて欲しいとの事なので、私の所属する税理士法人について書きたいと思います。
税理士法人には色々なタイプがあります。親子で設立した法人もあれば、ボスがいて勤務税理士をパートナーにした税理士法人、監査法人系の大規模税理士法人や私達のような本当の意味でのパートナーシップ制の税理士法人もあります。
まず当方の事務所は株式会社イコールと税理士法人パートナーズの2つの法人で運営しています。
役割としては、株式会社イコールのほうが記帳代行・コンサルティング・給与計算・保険代理店などを行い、税理士法人パートナーズは純粋な税理士業務のみを行っております。
元々私とパートナーの税理士である載本君(id:saimoto)が一緒に事務所をしようと6年前に立ち上げた会社が株式会社イコールです。その翌年に税理士法人が認められたためすぐに税理士法人も設立致しました。当時に税理士法人という制度があれば、株式会社イコールの方は設立しなかったかもしれません。
私と載本君とは以前に勤務していた会計事務所が一緒で、私のほうが上司でした。その後2人で同時期に独立して、それぞれバラバラに事務所を構えていましたが、6年前に一緒に事務所を設立し現在に至っております。
今のところ(笑)大きなトラブルもなく現在に至っています。

今回はパートナーシップによる税理士法人をうまく運営するコツを何点か述べます。

  • 独立する人間同士でいきなり税理士法人を設立しない。

独立する多くの場合、当分は収入が少ないため苦しい状況が続きます。それが2人なら余計にお互いの欠点ばかりが目に付きうまくいかない可能性があります。
お互いが一人でもやっていける売上になるまでは、それぞれ独立して事務所をしたほうがいいように思えます。自分一人でもやっていけるのだがあえてパートナーシップを組むという事の意味が大事のような気がします。
また組む際にはお互いの月次顧問料の額に差があるとは思いますが、この差を気にするような方は最初からパートナーシップは無理なのでやめておきましょう。
最初は業務量に差があると思いますがそのうち平準化してきます。

  • 報酬は完全にフィフティーフィフティーにする事

税理士法人に限らず昔からの共同事務所でもそうですが、うまくいかない最大の理由はお金です。
例えば新規クライアントを数多く獲得する税理士が、あまり新規を増やせないパートナーの税理士に対して少しずつ不満を持ち別れるケースが多いような気がします。
お金にすごく執着がある人や自分一人ならもっと稼げると思う人は、最初から税理士法人はやめておいたほうがいいと思います。
人間のお金に対する価値観やこだわりは、人それぞれ結構根深いもので容易には変えられません。従って同じようなお金に対する価値観を持ったパートナー同士でないとうまく行きません。
逆の意味ではお金の問題さえクリアーに出来たら、パートナーシップ制の税理士法人のハードルはそれほど高くはないと思います。

  • 細かいことは気にしない。

お互いに細かい事を気にしだしたらキリがありません。例えばパートナーが交際費や経費が使いすぎとか、大きな売上をどちらかが上げたとか、どちらかだけがいつも先に帰るとか、細かな事がどうでもいいと思えない人はやめておきましょう。
やはり他人と一緒に対等で事務所経営をしていく場合には、これらのようなパートナーの行動が最初は気になる人もいるでしょう。しかし後日にまた書きますが、パートナーシップ制の税理士法人のメリットからしたらこれらの細かな事はどうでいい事です。



パートナーシップ制の税理士法人がうまく行っている事に対しては、自分たちとしてはそれほど大した事とは思っていませんが、同業者である税理士はもちろん顧問先の経営者の中にも不思議に思っておられる方が結構おられるようです。
私が幸運だったのはやはり自分と考え方や価値観が似ていて、それでいてまったく違うタイプのいいパートナーとめぐり合ったことに尽きると思います。

こちらの記事にも少し設立のいきさつが書いてますので興味のある方はご覧ください。
http://www.krp.co.jp/pub/bn_prs/prs_hsj/prs_bn_hsj93.html


次回はパートナーシップ制の税理士法人のメリットについて書きたいと思います。