yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

チェーンの緩みは気の緩み

今は乗っていないのですが昔はバイクが大好きで、トライアル競技をしたり何台もバイクを所有したりしてすごく夢中になっていた時期がありました。
一時期、バイク屋でバイク修理のアルバイトをしていた時期もある位バイクが大好きで、今でもそこそこのレベルでバイクに乗れる自信があります。


今はもう亡くなってしまいましたがそのバイトをしていたバイク屋の親父さんがよく言っていた言葉があります。


それは題名にもあるように「チェーンの緩みは気の緩み」という言葉です。


バイク業界で一般的に言われている言葉なのか、その親父さんだけが言っていた事なのかはよくわかりませんが、もう30年位前の事なのに時々その言葉を思い出します。


バイクというものはエンジンからチェーン(中にはチェーンがないバイクもありますが)を使って、パワーを後輪に伝えます。このチェーンは金属製なんですが、乗っているうちに少しずつ伸びてきます。

調整自体はすごく簡単でほとんどのライダーが自分で調整していると思います。


しかしこれ位はいいかと思って放っておくとチェーンというものは結構緩んできます。たまにチューンがダルンダルンになっているバイクに乗っている人も見かけます。

こうなるとチェーンやチェーンがかかっている歯車の部分であるスプロケットにも良くありませんし、下手すると外れて大事故になる可能性もあります。


つまり普段のちょっとした基本的な事が大事で、邪魔くさいからと言って調整しないライダーは気が緩んでるという事を言いたかったのだと思います。


気の緩みというのは何もバイクのチェーンだけに限らず、仕事でも気を抜かないで細かで基本的な事を地道にやっていく事が大事だという事ですね。普段の仕事でも手を抜きたくなるような時はこの言葉を思い出すようにしています。


しかし最近よく昔の事を思い出すのは歳をとってきたせいでしょうかね。

顧問先の社長が亡くなって思う税理士の役割

先月に弊社の顧問先の社長が亡くなりました。


そのお客様は元々一緒に税理士法人をしているパートナーの載本先生のお客様で、彼と合同で事務所を立ち上げた後も載本先生が直接担当していました。

彼と合同で事務所をやる時に設立した会計法人の株式会社イコールを設立した時もまとまったお金を出資していただき、それ以来事務所の大事な顧問先として、事務所設立以来ずっと御支援頂いていました。


私自身も、ゴルフをご一緒させていただいたり、事務所主催の懇親会では顧問先代表としてスピーチしていただいたり、少し前にお見舞いに伺った時はお元気でまだ年齢も若かったのでショックでした。


顧問先の社長とは月に1~2回ほど訪問させていただいていろいろな話をしてそれが10年以上続いているわけですから、パートナーの載本先生も親族が亡くなったのと同じくらい悲しかったと思います。


私でも長い間顧問させていただいている会社の社長は自分の父親と同じ世代の方も多いのですが、自分の父親以上に多くの時間会って数多くの話をさせていただいてます。
顧問先なのですが逆にこちらの方が色々な事を人生の先輩として教えていただき、かわいがって頂いている社長も少なくありません。


そのような大好きな社長が亡くなる時の事は考えたくありませんが、私や載本先生が独立した頃に顧問先になっていただいた社長は年配の方が多く、今後このような事も増えてくる事は避けようがありません。


そして亡くなった社長もそうでしたがやはり会社の経営者は自分の死期が迫ると、もちろん家族のことも気になりますが、同じくらい自分の会社の事を心配されます。


幸いこの会社は2年ほど前に公務員だった息子さんが戻ってこられて、社長が亡くなった後は社長として事業を承継されます。


今回強く思ったのはやはり私達たち税理士の大きな役割とは、今の顧問先の社長が亡くなっても会社が存続していけるように相続も含めた事業承継のお手伝いをして、亡くなった後に承継した後継者の方をサポートしていく事でしょう。


私自身もお世話になった社長の後継者の方が会社に入社されている顧問先が何社もあります。自分が先に死ぬこともあるでしょうが、順番としてはお世話になった社長を見送り、後継者の方に事業承継がうまくいくようにサポートしていく事がその社長への恩返しだと思っています。

税理士事務所にとって本当に大切なお客様とは

私たち税理士事務所は、顧問先からの月々頂く顧問料と決算時に頂く決算料が主な収入となっております。
従って税理士事務所では常に新しい顧問先を開拓して、なおかつ今の顧問先を守っていく必要があります。


昨年の事ですが私のパートナーの載本先生が担当していた顧問先で、顧問になっていただいてから5年位で、顧問先の中でも規模はトップクラスの会社がありました。

その顧問先の社長から決算が終了したら契約解除してきたいと申し出てこられました。

もちろん私たち税理士事務所は新しく顧問先になって頂く会社もあれば、顧問契約解除となってしまう会社もあるので別にそれは仕方がありません。

ただその顧問先の社長とは担当ではなかった私もご一緒に旅行に連れて行っていただいたり、ゴルフのラウンドをご一緒させていただいたり非常に親しくさせていただいてたので「なぜ???」と少しびっくりしました。

事務所としての能力不足や落ち度、対応の不満などから契約解除を申し出られたらまだ納得します。

ただ何やらよく話を聞くと、税務上どう考えても経費とならないものを、とある税務署出身のOB税理士にやり方のよってはそれは経費として認められると吹き込まれたようです。

そんな嘘八百の話で営業する税理士もどうかと思いますが、社長もその話に乗ってしまったようです。残念です。


パートナーの載本先生が、その顧問先の事を知ってる別の顧問先の社長にこの話をしたら、
「載本先生もまだまだ人を見る目ないな~。あの人は元々そういう人やで~。」
とおっしゃられたそうです。

その後で
「わしはそんな事はせえへん。最後まで載本先生に付き合うわ。」
と言っていただいたそうです。

ありがとうございます。

私もこの社長はよく知ってますし仕事ではなかなか厳しい社長ですが、そこまで思っていただいてたのかと少し感動しましたね。


その件があって税理士事務所が本当に大切にしなければならないお客様とは、顧問料の多い少ないではなく、たとえ途中で色々な事があっても、信頼していただいて、永続的にお付き合いさせていただける顧問先だと気付かせていただきました。

税理士事務所を営業拠点先に考えるなんて着眼点が寒いです。

昨年の事ですが、すごく腹が立った事がありました。

電話で問い合わせがあり、とりあえず京都のかなり南の方にある会社に伺いました。

その会社は某家電量販店のエアコンなどの設置工事を主にしている会社らしいですが、昨今の家電量販店の販売不振により業績が悪化してきている為、自社で事業展開を考えており、なにやら主に企業向けにLED照明設備を提案して受注していこうと考えたようです。

結局よく話を聞くと顧問税理士を探していて連絡してきたのではなく、税理士事務所を営業拠点先にしようと弊社に連絡してきたようです。

つまりお前のところの顧問先を紹介しろという事ですね。

そもそも業務提携を申し出る方が自社に呼びつけて、ゆくゆくは顧問契約もありうるというような雰囲気を匂わして、業務提携をに持っていこうとするこの社長の失礼さにびっくりしましたね。

まあ良くこんな感覚で今まで会社経営してきたと思います。

今までは何も考えずに家電量販店にぶら下がって楽な商売をしてきて、一般常識からかなりかけ離れた感覚になってしまったのでしょうね。

もちろんこのような一般常識の欠けた社長に大事な顧問先を紹介する事は出来ませんので、はっきり断って帰ってきました。


良く考えればわかると思いますが基本的には税理士事務所はどのような商品でもあまり大した営業拠点先になりません。

税理士事務所にとって一番大事なものは顧問先からの信頼です。

わずかな紹介手数料を目当てに、大事な顧問先に訳のわからないものを紹介してトラブルになり信頼を損ねるような事は、税理士事務所からしたら一番避けなければならない事です。


確かに税理士事務所は数多くの顧問先を抱えていて、営業拠点先としては魅力的に思えるかもしれませんが、営業拠点先として有効なのは生命保険くらいでしょうね。


税理士事務所を営業拠点先なんて寒い発想はやめて、そんな暇があったら自ら営業して下さい。

十年後に税理士は必要なくなるのか?

つい最近、週刊東洋経済が特集を組んだ記事がありました。

10年後、税理士や事務、営業などはなくなる? デジタル失業の時代が到来

http://news.livedoor.com/article/detail/7464298/


そうか~、それなら税理士の私も今から転職の準備しないといけないなあ~

というのは冗談でとりあえず税理士としてこの記事に反論しておきます。

記事のベースにあるのはこの本ですよね。

機械との競争

機械との競争


デジタル技術の進化が人の雇用を減らしていくという社会の大きな流れについては全く異論がありません。
最近の大学生の就職難も今まで大卒がしていたホワイトカラーの事務的な仕事が、IT化の進展によりどんどん減ってきているという背景があると思います。

しかしそのデジタル失業の筆頭になぜ税理士を持ってきたのかよくわかりません。
根拠は記事では

 日本でも2005年の国勢調査「日本の人口」をもとにした『2000→2005年の職業別就業者数の増減ランキング』によれば、ソフトウエアやネットの普及の影響により、会計事務員はその1割(実数ベースで31万人)と高い就業者減少比率が見られた。商品販売外交員、事務用機器操作員なども高い就業者減少比率だ。

とあります。

えらい古いデータを出してきていますが、私はボールペンで元帳を記帳していた時代から税理士事務所にいますからわかりますが、そら当然事務員の数は減っていますよ。


事務員が減ってきた理由

  • 会計ソフトの低価格化と普及により会計事務所にまかせっきりだった記帳入力業務を各企業が独自にやりだした。
  • 会計ソフト及び税務ソフトがよくなってきて税理士事務所における入力等の作業時間が減ってきており、また事務所の業務自体が効率化してきて事務員を大量に雇わなくても仕事をこなせるようになってきた。
  • バブル以降、毎年企業数が減少してなおかつ企業規模もだんだんと小ぶりになってきて税理士事務所の業務自体が減ってきている。

私の事務所でも昔の税理士事務所とは比較にならないくらいの顧問先の数と業務量を少ない人数でこなしていると思います。またお客さんが減ればそれだけ仕事も減って事務員も必要なくなります。


ただ効率化したから会計事務所の収益が以前より良くなったかというとまったく逆で、会計ソフトの普及と税理士数の増加に反比例して顧問料の単価が昔と比べると大幅に下がっています。
収益という面では昔の方がはるかに良かったと思います。

ただ減ってきているのは事務員の人数であり、この昔の統計を根拠に10年後には税理士が不要とは随分乱暴な結論ですね。

また

 一方で、コンピュータのおかげで文書事務が減ったことが一因で、事務や秘書、営業といったホワイトカラーの仕事が減っている。また、計算ソフトのおかげで、ソフト開発会社は儲かるが、会計士、税理士の需要はこの数年で8万人も減っている。

とあります。


会計士・税理士の需要が8万人減っているとは何の事かよくわかりません。税理士と会計士の数自体はむしろ増加しています。

確かに税理士業界は売上とか事務員などの従事人数は減ってきていると思いますが、それでも10年後にはいなくなるような減り方はしていません。

また計算ソフトの発展・IT化の恩恵は当然税理士・会計士も受けていて、特に電子申告の普及により以前と比較すると事務所の業務の効率化はどんどん進んできています。


税理士業等は税理士法第2条に以下のとおりに定められています。

(税理士の業務)
第二条  税理士は、他人の求めに応じ、租税に関し、次に掲げる事務を行うことを業とする。

一  税務代理

二  税務書類の作成

三  税務相談

2  税理士は、前項に規定する業務(以下「税理士業務」という。)のほか、税理士の名称を用いて、他人の求めに応じ、税理士業務に付随して、財務書類の作成、会計帳簿の記帳の代行その他財務に関する事務を業として行うことができる。ただし、他の法律においてその事務を業として行うことが制限されている事項については、この限りでない。

つまり税理士の業務は「税務代理」「税務書類の作成」「税務相談」であり、会計業務はあくまでも付随業務であり税理士の独占業務ではありません。

会計ソフトは付随業務である会計業務の仕事は税理士からどんどん奪っていって、税理士事務所における事務員の数は減っていくかもしれませんが、コアな税理士業務はそのほとんどが10年後に消えていく仕事ではないと思います。

たしかに税理士業界はいまや成熟産業・斜陽産業で、これから伸びていく業界とは言えません。漫然と旧態依然とした税理士事務所はこれからも厳しいでしょう。

しかしその中でも、お客様にしっかりとした税理士業務を提供できる事務所や顧客サービスに重点を置いて顧問先に喜ばれるサービスを提供している事務所、顧問先とのコミュニケーションに力を入れている事務所は今でも伸びていると思います。


10年後にソフトがすごく発達して税理士事務所の業務は大きく変わるかもしれませんが、いくらIT化が進んでも


  • 税務調査の立ち会いにパソコンが立ち会うんですか?
  • 税法の解釈でグレーな部分をパソコンが判断してくれるんですか?
  • 税務署の決定に対してパソコンが異議申し立てするんですか?
  • どのようなものが経費になり経費ならないかパソコンが判断するんですか?
  • パソコンが相続の財産を調査して、財産を評価して、遺産分割協議書を作成して、相続税の計算を自動でするんですか?
  • 経営者に経営のアドバイスをパソコンがするんですか?
  • パソコンが節税対策を提案してくれるんですか?


人工知能が高度に発達して、コンピューターが人並みの判断能力を持ったら私たちも仕事が無くなるかもしれませんが、そうなったら他のほとんどの人たちも失業でしょう。

もちろん10年後も税理士の仕事は安泰とは私も全然思っていません。しかし事業規模は小さくなっても、色々なサービスをやスタイルを取り入れながら税理士事務所は必ず残っていると確信しています。


まあ今回はちょっとピンボケな記者が税理士は単純な入力作業しかしていないと認識の上で、センセーショナルな題名にしたくて一番最初に税理士という職業を持ってきたのでしょうね。

教育資金の贈与税非課税って経済効果あるのかな~?

平成25年の税制改正大綱に盛り込まれた教育資金の贈与税非課税制度が話題となっているようで、新聞記事でも何回か目にいたしました。

以下がその内容です。

3 教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置


(1) 概要

受贈者(30歳未満の者に限る。)の教育資金に充てるためにその直系尊属が金銭等を拠出し、金融機関(信託会社(信託銀行を含む。)、銀行等及び金融商品取引業者(第一種金融商品取引業を行う者に限る。)をいう。)に信託等をした場合には、信託受益権の価額又は拠出された金銭等の額のうち受贈者1人につき1,500万円(学校等以外の者に支払われる金銭については、500万円を限度とする。)までの金額に相当する部分の価額については、平成25年4月1日から平成27年12月31日までの間に拠出されるものに限り、贈与税を課さないこととする。

(注)教育資金とは、文部科学大臣が定める次の金銭をいう。

1 学校等に支払われる入学金その他の金銭

2 学校等以外の者に支払われる金銭のうち一定のもの


(2) 申告

受贈者は、本特例の適用を受けようとする旨等を記載した教育資金非課税申告書(仮称)を金融機関を経由し、受贈者の納税地の所轄税務署長に提出しなければならない。


(3) 払出しの確認等

受贈者は、払い出した金銭を教育資金の支払に充当したことを証する書類を金融機関に提出しなければならない。

金融機関は、提出された書類により払い出された金銭が教育資金に充当されたことを確認し、その確認した金額を記録するとともに、当該書類及び記録を受贈者が30歳に達した日の翌年3月15日後6年を経過する日まで保存しなければならない。


http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2013/25taikou_02.htm#02_03


この制度一見するどのような制度かわかりにくいのですが、とりあえず贈与者は金融機関に信託という形で教育資金を預けて、もらった方は一旦授業料などを立替えて払ってその領収等を金融機関に提出してその信託からお金をもらうという形のようです。
そして学校等というのはおそらく専門学校などの事を差していると思います。


そしてなにか教育資金というと中高生や大学生の孫をイメージしてしまいますが、この制度は30歳未満の直系卑属(つまり子供や孫)というだけで年齢は限定していません。

つまり生まれたばかりの0歳児の子供や孫または既に大学を卒業等している20歳代の子供や孫にも贈与する事が可能とです。つまり孫が10人いれば1500万円×10人=1億5000万円が相続税の対象から外れる事になります。
また信託を利用する事により、もらった孫も他の事に浪費する事ができませんので贈る方も安心というメリットもあります。
死にかけている高齢者が孫数人にこの制度により直前に贈与を行う事でかなりの相続税が節税になると思います。

そしてそのもらった子供や孫が30歳になるまで課税に繰り延べが可能となるのです。(30歳までに使わなかった分については贈与税が課税されます。)


その他にも例えば事業をされていて今はお金を持っている方が、自分の子供の教育資金をこの制度を使ってプールしておけば、将来自分の事業が悪化して全財産を失うような事があっても子供の教育資金だけは残しておく事が出来ます。


とりあえず税理士はすべての関与先でお子さんやお孫さんがいらっしゃる方には一応この制度の説明をする必要がありそうです。


しかしこの制度、住宅資金の贈与の特例と同様に高齢者から若者の世代への財産の移転を促し、消費を活性化させるのが目的の一つだと思いますが、信託という形を取ると実際に教育資金として使われるまでの間、結局金融機関に資金が滞留するという点では経済効果はあまりないのではないでしょうか?

また3年弱の制度の為に最長30年間、金融機関や課税庁がこの事績を管理していくのは大変だと思いますね。

初競りマグロの税金はどうなるの??

少し前の話題ですが、平成25年1月5日の東京築地市場で青森大間産のマグロが1億5540万円の値をつけて話題となりました。

1.5億マグロ釣った漁師 やっかみの声やいたずら電話に悩む

 1月5日の東京・築地市場の初競りで、青森・大間産のクロマグロが1億5540万円の値をつけたが、このマグロを釣り上げたのは、代々、大間で漁師をしている一家に生まれた竹内大輔さん(36才)だ。

 1億5540万円のうち5.5%は荷受会社、4.0%が大間漁協、1.5%が青森県漁連に入る。残る約1億4000万円に最高税率40%の所得税がかかるので、大輔さんの手取りは8300万円ほどになりそうだ。ただし来年にはさらに住民税が10%、少なくとも1400万円が引かれることになる。税金の支払いが他人事ながら大変そうだが、それはさておき、ほかならぬ大輔さんに話を聞くと?

「高値がついたことは、それは嬉しいよ。ただ、他が揚がらなかったから、ラッキーなだけかな。金額は予想よりはるかに多い。すごすぎる値段で、何に使うかは全然考えていません」

http://www.news-postseven.com/archives/20130120_166944.html



恥ずかしながら今まで漁師さんの確定申告をした経験ありませんが、このケースの税務上の扱いがどうなるか考えてみたいと思います。


まず上記の記事の内容は完全に間違い。
記者の税務の知識はホントいい加減で、記事として出す前に税理士にチェックしてもらえばいいといつも思います。


まずこの竹内さんが個人事業で漁師をされているとします。
まず個人事業の場合はその年の1月1日から12月31日が計算期間で、税金の計算の基となる所得の計算は収入金額マイナス必要経費となります。


従って上記の1億4000万円にまるまる税金がかかるわけではなく、平成25年の売上と経費が確定しないと税金は計算できません。
船の減価償却費や修繕費・燃料費、マグロを釣る為のエサ代、その他漁具などの消耗品などこれから1年間に発生する必要経費がすべて控除の対象となりますし、その額は結構多額な事が予想されます。


また住民税ですが竹内さんの場合来年2月~3月に提出した確定申告書をベースに住民税が課税されますので、住民税の支払は来年の6月以降でしょう。


しかしこの竹内さんはラッキーです。


なぜラッキーかというと売上が1月5日という事で、今年1年間年末までゆっくりと税金対策に取り組む事が出来ます。
船を新調したり大規模修繕をしてもいいでしょう。漁港に通う車も新車にしましょう。今年くらいは交際費多めに使ってもいいでしょう。

これが年末だったら目も当てられない状況になっていたと思います。


もうひとつ気になるのが、平成24年度の申告ですね。
他の記事によるとそのマグロを釣ったのは年末の12月29日の朝との事、12月31日時点ではまだ売れていません。
従って平成24年度の確定申告をする場合、その釣ったマグロは棚卸資産として計上する事になります。

釣った魚の棚卸をどうするかというのはあまり聞いた事がありませんが、他から購入した資産ではありませんので、農業などと同様にそのマグロを釣る為にかかった原材料費、労務費、経費の合計額となると思います。
まああまり大きな金額にはならないでしょうが、24年度の所得が少ない場合は少し多めに評価した方が税率的には得でしょうね。
この辺りは申告する税理士の腕の見せ所だと思います。


しかし竹内さん、改めておめでとうございます(^_^)