yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相

この事件のある点が気になり購入。

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相

でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相

出版社/著者からの内容紹介
クレーマー保護者の虚言によって、彼は史上最悪のいじめ教師に仕立てられた。
「早く死ね、自分で死ね!」
2003年6月、全国ではじめて「教師によるいじめ」と認定される事件が福岡で起こった。問題の小学校教師は、担当児童を自殺強要や暴力でPTSDによる長期入院に追い込んだとされ、「殺人教師」とまで報じられた。
だが後に、一連の事実は、児童両親によるでっちあげだったことが明らかになる──。
子供は善、教師は悪という単純な二元論的思考に陥り、550人もの大弁護団を結成した人権派弁護士、保護者の無理難題を拒否できない学校現場や教育委員会、すぐに騒いで教師を悪者にするマスコミ、被害者を救うヒロイズムに酔う精神科医、そしてモンスター・ペアレント......。
病める教育現場で偽善者たちが引き起こした、驚愕の冤罪劇!

この事件は新聞報道や週刊誌、ワイドショーなどでも盛んに取り上げていましたので記憶にありました。
当時その報道を聞いた感想は、「ほんまにそんな教師がおるんかな??」「ちょっと信じられないなあ。」と感じたことを覚えています。
なぜこの本を読もうかと思ったかというと、やはり「550人もの大弁護団」が結成された事を知ったからです。
山口県の光市母子殺人事件の犯人にも21人の弁護団がつきましたが、こちらの方はその数をはるかに上回る大大弁護団です。
光市母子殺人事件の弁護団の場合は、弁護士の中でも「特殊な弁護士」の人たちが全国から集結したものと思っていたのですが、550人ともなると尋常じゃありません。本によれば福岡県の弁護士会の所属弁護士の3分の1がこの弁護団に参加したようです。
同じ士業として大変不思議なのですが、なぜ弁護士のなかのある特殊な人たちは自分のイデオロギーや主義・思想により、報酬も出ないような裁判の弁護団に嬉々として参加するのでしょうか?
自分のイデオロギーや主義・思想を主張したいなら、裁判という当事者(第3者)がいる場を利用せず、堂々と政治家にでもなって主張してください。
仕事柄数多くの弁護士さんと接する機会が多いのですが、私が知る範囲ではこのような事をしている弁護士は一人もいません。
しかし弁護士会の所属弁護士3分の1が参加したとなると、このような裁判に無報酬で参加するのは少数の「特殊な弁護士」という認識は改めなければならないかもしれません。

この裁判はまだ控訴審が続いているようですが、その後この冤罪事件のクレーマー保護者の虚言に踊らされて、嬉々として参加した「550人お笑い大弁護団」の弁護士が今何人になったのかが知りたいですね。

この本は、その他にも教育現場・マスコミの病巣がよくわかる本でお勧めです。