yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

新しい税理士事務所のつくり方

題名に引かれてアマゾンで購入

新しい税理士事務所のつくり方 (アスカビジネス)

新しい税理士事務所のつくり方 (アスカビジネス)


著者は税理士事務所向けに専用機を販売していたJDLから独立し、会計ソフトメーカーを起業して成功したやり手経営者です。従って税理士業界のことをよく知っている経営者が書いた本という事で、一度読む価値はあると思います。
本の内容は職員の採用や広告やマーケティングについて書かれていますが、あまり目新しい事は書かれていません。
そもそも以前のエントリーでも書きましたが、税理士事務所の問題点というのは「わかっているのにやらない」のが最大の問題点で、このレベルの話ならある程度の税理士ならほとんどわかっていると思います。
この本がいうところの「営業しなくても顧問先が増える」というのは、別にどの事務所でも営業しなくてもある程度の顧問先は増えるものです。しかし大きく成長しようとしたら、この本に書かれている程度の事は当然としてそれ以上の事が必要です。そのあたりは期待して読むと少し物足りないかもしれません。
しかしこの本を買う人というのは、全国にいる6〜7万人の税理士とあと税理士を目指している人がターゲットなのでしょうが、実際に購入するのはその数%と思いますので、部数にして3000部も出版されたらいい方だと思います。
この著者が「すべての税理士事務所が多くの顧問先を獲得し、末永く繁栄していただきたいという思いで書いたものです。」と述べていますが、私自身はこの本は出版される部数からいっても、この著者の会社の営業戦略の一環で出版された本だと思います。(そもそも全ての税理士事務所が繁栄するなんて幻想です。)
最近この手の本が意外とよく売れるようです。それだけ税理士事務所も顧問先が増えなくて困っているということでしょうか?