yoshida's blog

京都で税理士をしている吉田貢のブログです。

たばこ「1箱千円」への値上げを

日本財団の笹川氏が大胆な提言

【正論】日本財団会長・笹川陽平 9兆5千億円の新たな税収

私自身は一昨年に禁煙しましたので別にいいのですが、これはJTの巻き返し工作が激しいでしょうね。
ただ日本の財政の酷さを考えると実現するような気もします。

譲渡所得税の計算方法は不合理ではないか?

現在、確定申告時期で税理士事務所が1年で一番忙しい時期です。
色々な申告をするのですが、個人が不動産を売却して利益が出たら譲渡所得税を納付する必要があります。

この譲渡所得税ですが

収入金額 − 取得費 − 譲渡費用 = 譲渡所得金額
譲渡所得金額 × 税率 = 譲渡所得税

という計算をします。

この算式の中で取得費というのは、その不動産を購入した金額となります。
ここでふっと単純に思ったのですが、例えば何十年前に500万円で購入した土地を今回3000万円で売却するとしたら、3000万円−500万円−譲渡経費 に対して譲渡所得税が課税されます。
しかしこの間にインフレにより通貨の価値が下がったとしていたらどうでしょう。
つまり買った当時の500万円が現在の3000万円に相当するとしたら、その差額は個人が実利として得た利益でもなんでもなく、そこに課税をしたらおかしいのではないでしょうか?(まあデフレのときは逆のことも言えますが・・・)

吉田の結論

譲渡所得税はインフレ率を勘案して課税するべきだと思います。

デジタル複合機が「インターネットに接続された状態」とは

法人税の特例の中に「中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却」という制度があるのですが、これは対象資産を事業に供した場合に、通常の減価償却に加えて取得価額の30%の特別償却を認める制度です。
この対象資産の中に「インターネットに接続されたデジタル複合機」があるのですが、この「インターネットに接続された」という状態がどのようなものか少し前に国税庁のホームページで公開されました。

そこで、本通達の注書において、「インターネットに接続された」状態とは、事業の用に供する際において、当該デジタル複合機がインターネットによるデータの送受信ができるよう外部の回線と現に接続されている状態であることを明らかにしている。
したがって、デジタル複合機であっても、単にコピー機又はプリンター装置として使用されているようなものや、社内LAN設備の回線のように、一定の建物の範囲内でデータの送受信ができるように単にパソコンと接続されている状態のものは、「インターネットに接続された」状態といえず、本制度の適用対象とならないこととなる。
http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/joho-zeikaishaku/hojin/070313_2/02.htm#a-01

これを読むと次々疑問がわいています。

  • なぜ最初から条文上でデジタル複合機でインターネットを使ってデータのやり取りをすることを条件にしなかったのか?
  • 同じデジタル複合機を購入した会社でも使い方によって取扱いを変える事に何の意味があるのか?
  • 逆に最近のデジタル複合機はインターネットによりデータの送受信をする機能も普通ついていると思うが、この機能を使っていない会社が社内LANをインターネットに接続しているだけで特例を認めるのはおかしくないか?(「インターネットによるデータの送受信ができるよう外部の回線と現に接続されている状態」とあり実際にするかは言及していない。)
  • FAXにIP電話回線を使っている会社もあると思うが、この場合はどうなるのか?
  • 税務調査でそんなことを調べるのか?

この資産を特例の対象にした意図は一体何なのでしょうか?
私の事務所にもデジタル複合機があります。もちろん社内LANはインターネットに接続されています。
私の事務所ではペーパーレスFAXにしておりFAXはメールで全員に配信されるようになっているのですが、これと同じ事をメールでは配信せず専用ソフトを各パソコンにインストールして行うことも可能です。
またデジタル複合機で読み取ったイメージを直接デジタル複合機から登録してあるメールアドレスに送信することも可能ですが、いつもは読み取ったイメージをパソコンに取り込みメールに添付して送るケースの方が多いです。
このように同じ事が出来るのに、社内LANとインターネット・デジタル複合機とパソコンを区別して適用の可否を決めることはおかしいと思います。

素直に考えると、国がデジタル複合機を使ってインターネットでデータのやり取りを推奨しているように思えますが、その事に何の意味があるのでしょうか?
仮に企業の生産性向上の為というなら、別に直接デジタル複合機を使ってやり取りしなくても使い方によってはそれは可能だし、使い方は企業に任せるべきです。
また生産性向上というなら、そもそも当の国税庁や各国税局・各地の税務署に到るまで、社内LANはインターネットに接続されていないと思いますし、デジタル複合機も大量に導入していると思いますがそれを使ってインターネットでデータのやり取りなど全然していないと思います。

なんか複合機メーカーの陰謀若しくは思いつきで作った法律のような気がしますね。

言われてみれば確かに・・・。

「さかのぼり適用」に違憲判決 福岡地裁、04年税改正で

税制は通常年末に税制大綱が発表され春の国会で通ることが多いのですが、確かに所得税の場合は1月1日に遡って摘要されるケースが多いと思います。
今後所得税の改正については、納税者に不利なケースは猶予規定を設けるべきでしょうね。

平成19年度の住宅ローン控除


平成19年度から住宅ローンの税額控除の制度が初めて選択性になりました。


1.10年で控除
住宅ローン残高(最高2500万円) × 1% (1年目〜6年目)  
  〃                  × 0.5%(7年目〜10年目)

2.15年で控除
住宅ローン残高(最高2500万円) × 0.6%(1年目〜10年目)
  〃                  × 0.4%(11年目〜15年目)

このどちらかを選択することになります。
どちらの場合も全ての期間で2500万円の残高がある場合には、どちらも控除額は総額で200万円となります。
ただ年間の控除額が違います。
1.の場合は 1〜6年が25万円、7〜10年が125,000円
2.の場合は 1〜10年が15万円、11〜15年が10万円

となります。

従って自分の源泉徴収票を確認し、年税額が25万円もないようなら2.を選択して少しでも引ききれない金額が少なくなるようにしましょう。
ただ今後の年収がアップする場合や売却する場合などを考えると、少しでも控除額が多い方が有利な場合もありますので、意外と選択は難しいと思います。

逓増定期保険のパブリックコメント

昨年の4月1日より各生命保険会社が販売を自粛していた「逓増定期保険」の改正案についてのパブリックコメントが公表されています。

http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=410190038&OBJCD=100410&GROUP=

取扱いの改正案は以下の通り

このように改正案についてパブリックコメントに対する意見を募集するなんて国税庁もずいぶん変わったなと思います。
今後はこのパブリックコメントをに対する意見を注意深く見守りたいと思いますが、この保険を思いっきり販売した保険会社各社はもちろん今までの取扱いで問題ないのではないかという意見を提出しますよね。(皮肉)