超「格差拡大」の時代を読んで
この前、長谷川慶太郎氏の 超「格差拡大」の時代 を読みました。
超「格差拡大」の時代―価格破壊の「地獄」から抜け出せるのは技術力のみ
- 作者: 長谷川慶太郎
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 単行本
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著者曰く
- 現在のアメリカの軍事力に対抗できる国は地球上に存在せず、また21世紀中に出てくることはない。
- 従って、局地的な紛争は起こるかもしれないが大きな戦争は発生する可能性がほとんどなく平和の時代が続く。
- 平和の時代が当分は続くため経済活動の国際化はどんどん進み、お金や物がますます国境を越えて移動することになる。
- BRICs諸国は自国の経済を世界経済に組み入れて成長させようとし、それぞれの国にかかえる農民の膨大な余剰人口を武器とし、労働集約型の消費財を大量生産しその安価な製品で先進国への輸出攻勢を行う。
- 従って、世界的なデフレは弱まるどころかますます加速する。
- デフレは世界的に過剰な余裕資金を発生させる。
- デフレが生む少数の「勝ち組」と多数の「負け組」の格差はますます拡大する。
今現在の日本の状況を俯瞰すると、この本に書かれている事が少しずつ現象として現れはじめています。
この本を読むと今後の21世紀の大きな潮流が見えてきて、企業経営者必読の本と思います。
長谷川氏は、以前バブルに時代に「財テクをしない経営者は経営者じゃない。」発言し世間からバブルを煽った張本人のような扱いを受け、私自身も実際には余りいい印象は持っていませんでした。
しかしこの本を読むと著者の深い洞察力と先見性を感じます。
とくにこのような将来を予測するような本は誰にでも書けるわけでもなく、いわゆる不安感を煽るだけで本を売ろうとする「破綻本」の著者の連中とは格の違いを感じましたね。