不景気と会計事務所
最近、顧問先の会社にお邪魔して社長と話をしているとよくこのように言われます。
「先生の商売は景気があまり関係なくていいですね!!」
もちろん他意があって社長がそのようにおっしゃっているわけではないのですが、言われてみるとこの不景気の中でも売上が何十%減ったとか、他業種のような激しい落ち込みはありません。
しかし会計事務所も他の業種と同じように日本経済の中で経済活動を行っていますから、影響がないわけではありません。不景気のときに会計事務所が受ける影響は以下のようなものがあります。
- 顧問料の値下げ
不景気のときは企業は経費削減に走りますから、私達の頂く顧問料も例外ではありません。
本当に苦しい企業にはある程度要望に応じることもありますが、会計事務所もコストをかけてサービスを提供しているわけですから安易には応じられません。不景気でもそのサービスを提供するための時間やコストはあまり減りませんし難しいところです。
顧問料を下げるために会計事務所を変える企業も当然増えると思います。
- 廃業・倒産
不景気の時には廃業・倒産が増えます。そのような顧問先が増えると顧問料収入も当然大きく減ります。会計事務所にとって一番痛いのがこの廃業・倒産だと思います。
- 新規設立企業の減少
同じく不景気には新規設立企業が減少しますので、顧問先を増やす機会も自然と減少します。また新規設立企業が少ないという事は会計事務所間の獲得競争も激しく、比較的安価な顧問料を提示しないと契約出来にくくなると思います。
- スポットの減少
例えば決算対策で保険を提案すると会計事務所には手数料が入りますが、不景気だと決算対策自体が減少します。また様々な節税対策のスポット案件も同じように減少しますので収入も減ります。
確かに他業種と比べて不景気には若干強いかもしれませんが、まったく影響を受けないわけではありません。そもそも不景気に強いという事は景気がよくなってもあまり大きく儲からないという事の裏返しでもあるわけですから・・・。