日中の宿命
靖国問題で揺れる日中関係を中国人の著者が書いた本です。
- 作者: 石平
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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この本を読むと日本のマスコミがいかに論点のずれた議論ばかりに終始しているかがよくわかります。
著者によれば日中関係は既に冷戦と呼ばれるような状況に突入しており、イデオロギー闘争の気配を感じさせる段階であり基本的な和解は不可能としています。
面白いのが小泉首相というのは靖国参拝だけを除けば、中国にとっては自国の国益に沿った政策をとってくれる都合のいい政治家であるという事と(中国の発展は脅威じゃなくチャンス等の発言)逆に安倍官房長官や麻生外相の方が中国にとってやりにくい相手(麻生外相の中国の軍事的脅威発言等)であるという事ですね。
また前原前民主党代表が前回訪中時に中国の軍事的脅威について述べた事が、小泉首相への強力な応援となっている状況も面白いですね。
今後は中国政府のアクロバティックな行動(経済的発展には日本との協力が不可欠なのに、自国の愛国ナショナリズム教育のために常に日本を悪者にしておかなければならない二律背反の状況の解決)に注目ですね。